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「ダルフィムは『そういう話』ないのか?」
「『そういう話』ねぇ…。」
今日もまた飲み仲間の二人と一緒にオードレリルで飲んでいた。飲むと言っても俺はアイスティーだけど。
全員早くに仕事を終えたから、いつもより二、三時間早い飲み会。
あ、さっき俺に尋ねたのはアリズリ。隣のテーブルに座っているカップルが二人の世界に入っているのを見て、その話題になった。
不思議なことに、こういう場だと『恋愛話』って弾むよねぇ。
最近、軍内で続々とカップルが成立していると聞くのも理由の一つかな?…皆も春真盛りみたいだね。
「お前、あまり話さないよなー。社交的だから何かあると思ってたけど。」
今度はチャド君が尋ねてきた。
「社交的だからといってモテるとは限らないよ?ほら、俺が体現してるじゃないかー(爽」
「おいおい、そう堂々と言うもんかー?」
「やっぱり話す以前の問題だったな。この前、『釣りが恋人だ』って言ってたからさ。」
「あー…ははは!言った覚えある!」
「あっははは!どうやら、『そういう話』じゃなくて、脳内に『恋愛』の二文字自体ないみたいだ!」
「やっぱりそう思う?」結構な言われ様だけど、それがまさに自分らしくて笑えてしまったよ。
三人の笑いが収まった頃、チャド君が話を戻した。
「…で、実際のところどうなんだ?」
「ダルフィムのことだから、また釣りや魚の話にされるだけ…
「あー。俺、実は片思いしてたんだよね。」
「「・・・・・・えぇぇぇえええ!?」」
二人揃って驚きの声を上げたため、酒場内にいる全ての客がこちらを向いた。
隣のカップルも二人の世界から引き摺り出され、他の客と同様に俺達を見ている。
チャド君はビールを飲み、アリズリは一咳込んでその場をやり遂げた。俺は笑ってただけだけどね。
次に彼らがすることは大体予想ができたよ、質問タイムの始まり始まり~。
「今日は4月1日じゃないから…嘘、じゃない…よな?」
「そうだよ。」
「片思い…って、魚じゃなくて『人』に…だよな?」
「そうだよ。」
「ダルフィムはその人のことが好き…なんだな?」
「そうだよ。」
「でも、『片思いしてた』…ってことは、過去形…?」
「そうだよ。」
質疑応答の後、二人はこそこそと話し始めた。今度は作戦タイムかい?
俺は特に気にせず残りのアイスティーを飲んだ。丁度グラスを置いたとき、二人が振り返った。
「今日はダルフィムの分、俺達が奢ってやるよ!」
「いっぱい飲んで過去の事なんか忘れろっ!」
空になったグラスにどんどんビールが注がれていく。
突然どうしたんだろう…奢ってくれたり、えっと、過去の事って何の事かな?
そして、二人の表情が固い…はたから見れば笑っているように見えるが、口元が引き攣っていて俺は笑顔と判断できなかったなぁ。
…で、何でそんな事を言い出したのか考えてみた、すぐ見当はついたけどね。
・・・・・・あ、そういうことか。
「俺、『フラれた』とは一言も言ってないよ?」
「「え?」」
笑顔(仮)から今度はポッポが豆鉄砲を食らったような表情…はは、やっぱりね。
俺の言い方が悪かったから勘違いをしてしまったのだろうな。
また二人はこそこそ話し始め、その間に俺は時計を見た。その時、時計の針は7時を指していた。
「おっと、そろそろ行かなきゃ…。」
俺は席を立った。
椅子を引きずる音に気付た二人は、慌てて俺を引き止めようとした。
「何処行くんだ、ダルフィム!…『フラれてない』って?」
「おい待てっ!お前、もしかして…!」
俺は立ち止まり二人にこう言った。
「君達、『奢ってくれる』って言ったから、俺は払わなくていいんだよね?それじゃ。」
「ま、まぁそうだけど…って、おいっ!!」
「逃げられたかー…あはは、流石ダルフィムだな。」
二人には悪いけど、事の詳細はまた今度飲みに行った時に…。
だって遅刻なんて格好悪いからさー。
さーって、"彼女"に会いに行かないと。
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アリズリさんとチャドさんをお借りしました!毎度毎度すみません…そして拙すぎる文;
誰の台詞かは色(アリズリさん:青、チャドさん:赤)で判断して下さいませ!><
話の続きはまた今度ということで←
でも、記事を読んでいけば大体予想つきますよ…本当に(笑